再生医療
医療機器
「失われた機能を、もう一度。」帝人が挑む、再生医療と埋込医療機器事業(後編)
課題
事業買収後の組織統合のためのマネジメント人材の採用(事業子会社の社長補佐)
整形外科領域における事業戦略の策定に関する専門家のナレッジシェア
海外からのインプラント製品導入における日本での臨床開発のFeasibility調査
解決策
コンサル会社と連携して事業部が抱える様々な課題をキャッチし、最適な人材ソリューションを提案。
xCARE プラットフォームを活用し、再生医療事業経験のあるマネジメントクラスの採用支援
整形外科領域の営業、マーケ、臨床開発等あらゆる専門家へのヒアリングにより、実態に基づいた事業戦略の策定
同領域のインプラント製品の臨床開発経験エキスパートによるFeasibility調査実施
成果
再生医療CDMO事業をドライブできるマネジメントメンバーを採用
整形外科領域の事業戦略の方向性を決定
Feasibility調査を元に導入検討の材料を提供
支援内容
プラットフォームを活用した専門人材紹介
コンサルティングファームのプロジェクトマネジメントのもと最適なエキスパートヒアリングの機会提供
導入検討中のインプラント製品の日本での臨床開発計画の策定によるFeasibilityの材料提供
企業様のご紹介
大手素材メーカーとして知られる帝人株式会社。同社は現在、新規事業として再生医療と埋込型医療機器事業を展開しており、新たなヘルスケアソリューションの創出に挑んでいます。再生医療の技術・製法開発から、体内への埋込デバイスの設計・開発・製造に至るまで、あらゆる体制を構築しており、患者のQOL向上と医療現場の課題解決に取り組んでいます。
今回、xCAREは提携先コンサルティングファームであるOXYGY社との協業を通じて推進したプロジェクトを振り返るにあって、帝人株式会社 ミッション・エグゼクティブ 再生医療・埋込医療機器部門長の中野貴之さんにお話を伺いました。
人材との連携を通じたイノベーションの進め方、外部知見の活用による新規事業の組み立て、そして帝人の再生医療・埋込医療機器事業が目指すビジョンについて語っていただきます。
OXYGY(オキシジー)社は、世界有数の法律事務所Bird & Bird系列のコンサルティングファームであり、イノベーション、チェンジマネジメント、ビジネス変革支援に特化したコンサルティングファームです。xCAREとの協業関係にあり、OXYGY アジア・パシフィック代表パートナーの太田信之さんにも本インタビューに同席頂きました。
インタビュー参加者
帝人株式会社 ミッション・エグゼクティブ 再生医療・埋込医療機器部門長 中野貴之さん
OXYGY アジア・パシフィック代表パートナー 太田信之さん
xCARE 代表取締役CEO 福永将 (インタビュアー)

コンサルティングの価値を最大化する、理想的なパートナーシップ
ー実際にコンサル会社の立場としてスポットで専門家をご活用いただいて、いかがでしたか?
太田さん (OXYGY):
私たちコンサルティングファームは、戦略策定や課題解決の進め方(How)を設計するプロフェッショナルですが、ヘルスケアのような高度に専門的な領域では、戦略の核となる深い知見や現場のリアルな情報(What)が成功の鍵を握ります。しかし、あらゆる専門分野を社内だけで網羅することは現実的に困難です。
その点で、xCAREさんは我々にとって理想的なパートナーです。ヘルスケア領域に特化した質の高いエキスパートネットワークを有しており、「この領域のリアルな声が聞きたい」「この技術の将来性について議論を深めたい」といった私たちのニーズに対し、最適な専門家をタイムリーに繋いでくれる。おかげで、クライアントとの議論の質や戦略の解像度が飛躍的に高まりました。
単なるスポットでのヒアリングに留まらず、共に事業シナリオを整理し、プロジェクトを前に進める“伴走者”をチームに迎え入れられる感覚です。外部の知見を柔軟に、かつ必要な分だけ活用できるxCAREさんの仕組みは、クライアントの変革を「構想から実行まで」支援する私たちにとって、非常に強力なソリューションだと感じています。
中野さん(帝人):
太田さんがおっしゃる「How(どう進めるか)」と「What(何を実行するか)」の融合は、まさに我々事業会社も求めているものです。コンサルティングファームからどれだけ優れた戦略を提示されても、そこに現場のリアルな肌感覚や実行可能性が伴っていなければ、“絵に描いた餅”で終わってしまいますから。
その点、今回の整形外科領域のプロジェクトは象徴的でした。OXYGYさんが描く大きな戦略の絵図に、xCAREさんが繋いでくださった営業、マーケティング、臨床開発といった各分野のエキスパートの知見が加わる。そのおかげで、我々が本当に「これならいける」と確信できる、地に足の着いた事業方針を策定することができました。
「知の流動化」が鍵に。組織と個人の可能性を拓く、新しい人材活用の形
ースポット人材の活用について、今後も活用可能性を感じますか?
中野さん (帝人):
間違いなく感じています。大企業でも、必要なときに必要なスキルを補う“外部知”の活用は今後さらに求められていくでしょう。
特に再生医療や医療機器といったヘルスケア業界は、制度や技術の変化が早く、社内の人材だけでは追いつかない領域では、外部エキスパートの知見は本当に貴重です。
大企業で長年培った専門性を活かして、スタートアップの現場に参画したりする観点で、xCAREさんが進めておられる副業人材や定年後のシニア人材の活用は新たな可能性があるのかもしれません。企業にとっての即戦力補完にとどまらず、異なるフェーズのプロジェクトに関わったりすることで、自分のスキルや経験をアップデートしながら社会とつながり続けるという観点で、個人にとっても新しいキャリア形成のあり方を提示しているという観点で、面白いと感じています。
こうした人材が新しいチャレンジの場を得ていくこと自体が、業界全体の知見の流動性を高め、イノベーションを後押しする土壌になるので、企業にとっても、個人にとっても、ひいてはヘルスケア業界全体にとっても意義ある流れだとは思います。
事業フェーズで使い分ける「スポット」と「フルタイム」。外部人材活用の最適解
−今回はスポット人材の活用とは別に、帝人リジェネットさんの立ち上げではフルタイム人材のご紹介もさせていただきました。こちらについても伺えますか..?
中野さん(帝人):
まさに、それが事業フェーズに応じた「使い分け」ですね。スポット人材は“今必要な専門知見をスピーディに取り入れる”ための手段として非常に有効ですが、ある程度事業の形が整い、会社として本格的に回していくフェーズになると、話は別です。やはり、フルタイムで中核を担える方の存在が重要になってきます。
特に帝人リジェネットは、再生医療CDMO事業を運営する子会社(個社)を立ち上げることとしたので、顧客獲得、設備構築や人材管理などの事業個社運営のすべてを任せて切り盛りできる経営層が不可欠でした。当時、CDMO事業の経営経験者は帝人社内にはいませんでしたから、スピード感を持って事業を構築するためには、CDMO事業運営経験とネットワークを有する方を外部から迎えるのがベストだと考えていました。
xCAREさんには、まさにそのミッションを担える社長クラスの幹部人材をご紹介いただきました。ご紹介いただいた方は、この業界での豊富な事業立ち上げ経験と非常に業界に強いネットワークを有して、お会いして「ぜひチームに加わってほしい」と強く感じました。
結果的に紹介したいただいた人材は帝人リジェネット社長補佐として参画いただくことになりましたが、先に決まっていた社長と、ご紹介いただいた方の2人が揃ったことで、「これで会社として本当の意味でやっていける」という大きな自信に繋がりました。
事業の核となる人材を、業界への深い知見をもとにタイムリーにご提案いただけたこと、本当に助かりました。
三者の連携が拓く、医療イノベーションの未来
ー最後に、帝人様、OXYGY様それぞれの今後の展望と、そこに向けて外部の専門知見をどのように活用していきたいか、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
中野さん(帝人):
私たちの根幹にあるのは、「患者さんが失った機能や組織を取り戻す」という変わらぬミッションです。再生医療CDMO事業においては、今後事業体制をさらに強化し、国内外の優れたシーズを一日でも早く患者さんの元へ届けるためのハブとしての役割を担っていきたい。そのためには、パートナー企業との連携は不可欠です。
日本のイノベーションを加速させるには、大企業が持つ経験や知見を、もっと流動的にし、ベンチャーやアカデミアと一体となってエコシステムを構築していく必要があります。社内のリソースだけで全てを賄う時代ではありません。xCAREさんのようなプラットフォームを通じて、外部の多様な専門性や経験を柔軟に取り入れ、組織の垣根を越えたコラボレーションを生み出していくことが、今後の事業成長の鍵になると確信しています。
太田さん(OXYGY):
私たちはこれからも「変革を、構想から実行まで伴走する」というスタイルを貫きます。特にヘルスケアのような複雑な領域では、机上の戦略だけでは不十分。クライアントが本当に実現したい未来に向けて、リアルな課題と向き合い、共に汗をかく存在でありたい。
そのプロセスにおいて、xCAREさんのような専門家ネットワークは、私たちの価値を最大化してくれる重要なパートナーです。戦略(How)と専門知(What)を高いレベルで融合させることで、より実効性の高い変革を支援できる。今後もこの補完関係をさらに強化し、クライアントの挑戦を成功に導いていきたいですね。
福永(xCARE):
お二人の力強いビジョンをお伺いし、大変感銘を受けました。帝人様が目指す「業界全体のエコシステム構築」、そしてOXYGY様が実践される「実行までの伴走支援」。その両方において、私たちが「知の流動化」を促進するプラットフォームとして貢献できることがあると、改めて強く感じています。
企業や個人が持つ価値ある知見や経験が、組織の垣根を越えて循環し、新たなイノベーションを生み出す。そんな未来を、両社と共に創り上げていけることを、心から楽しみにしています。
本日は誠にありがとうございました..!
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